前回、問題のある情報が掲載されているブログやWEBページで使われている
サーバー会社を特定することができました。
記事削除・修正の依頼はサーバー会社への申し立てを行うことで完了します。
申し立て方法
誹謗中傷記事の内容を分析する
「気分が悪くなる内容なので侮辱だ!」という理由では問題の解決となりません。
抗議するに当たり、問題のある記事の内容を分析しましょう。
分析した結果、どの部分を主張していくかを判断します。
明らかな侮辱・脅迫ととれる言葉が使われている場合はその部分を抗議材料に使用すればOKです。
難しいのがグレーな文章が使われていたり、グレーな記事の構成となっているケースです。
検索にかかりやすいように、本文とは無関係の単語を羅列したり、タイトルやタグに設定された単語により侮辱的な記事となっていることもあります。
タイトルにそのような文言を使われている場合はブラウザの検索結果画面に表示されてしまう事もあります。
正式には「送信防止措置の申し立て」と言い、
書類を作成し、サーバー会社へ送付することで申し立てが完了します。
手続き方法はサーバー会社により変わるので、HPなどで確認しましょう。
※「サーバー会社 権利侵害」などで検索し、申し立て手順を解説したページを見つけます。
なお、代表的なサーバーの手順解説ページは上記に載せています。
ほとんどのサーバー会社では、申し立ての書類を作成し、送付する必要がありますが、
一部、専用のフォームを設けている所もあります。(FC2など)
それでは、具体的な手順を見ていきましょう。
専用フォームを利用する場合(FC2など)
FC2では不適切サイト報告・異議申し立てフォームが用意されていますので、このフォームから申し立てを行うことができます。
こちらがフォーム内容になります。
まずは名前・住所・メールアドレスを入力します。
入力するメールアドレスですが、申し立て内容の問合せや返答に利用されますので確認しやすいものを使うと良いです。
組織名・担当者名は入力しなくてもOKです。
管理人(問題の記事の作者)への名前公開の許諾は、確実に手続きをしてもらうためにも「許諾する」を選びましょう。
弊社の事例では「組織名のみ」でも記事削除が行われました。
法人の場合は組織名のみの公開でも問題なさそうです。
ここからは実際に弊社でFC2へ申し立てし、記事が削除されたケースでの記述内容を公開します。
被害状況および異議申し立て内容被害状況を簡潔に示し、名誉棄損が行われていることを記述します。 更に、サーバー会社に対して「当該情報の送信を防止する措置を講じるよう依頼します。」と、 記事内容の修正や削除の措置をとってもらうよう依頼します。 削除を依頼する具体的なURL
問題の記事のURLをコピペします。
削除を依頼する具体的な箇所
「該当ページ一式削除」もしくは「問題のある具体的箇所の削除」を依頼しました。
この時、削除依頼をした記事ではタイトルに問題がありますが、
本文中に記載された文章は商材のレビューが中心で明確な侮辱的記述はありませんでした。
商材についての評価やレビューは、たとえマイナスな内容でもそれだけでは侮辱となりません。
そのため、この時は記事タイトルに含まれた「詐欺」という文言を削除する事、
もしくは記事自体を削除する事を依頼することにしました。
具体的な問題個所の修正を依頼することで、かかる労力を考えると記事全体を削除することを選ぶ可能性も高いと考えました。
結果として、後日記事そのものの削除が行われることになります。
削除を依頼する理由(サイト管理人であるユーザーへ転送します)
ここでの記載内容は記事の作者であるサイト管理人に共有される内容となります。
ここでも侮辱ととれる文言など、具体的な箇所を示して名誉棄損に当たる記事内容であることを主張します。
そのうえで記事一式の削除か問題のある文言の削除を依頼します。
揚げ足をとられたり、反論の余地を与えないように客観的な事実を示した上で、
冷静かつ簡潔に記述するようにしましょう。
注意事項を確認し、申し立てを完了させます。
書類を送付する場合
申し立てに書類の作成と送付が必要な場合の手順です。
エックスサーバーの場合、3種の書類を準備します。
※参考URL:https://www.xserver.co.jp/legal.php
【1】送信防止措置依頼書
【2】問題箇所に関する資料
【3】本人確認書類
【1】送信防止措置依頼書
この書類はプロバイダ責任制限法 関連情報WEBサイト(http://www.isplaw.jp)を参考に作成します。
※ちなみに大体のサーバー会社でこのサイトを参考にするよう案内されます。
プロバイダ責任制限法 関連情報WEBサイトにアクセスします。
今回は名誉棄損により送信防止措置を依頼しますので、
名誉毀損・プライバシー関係書式(PDF)をクリックします。
数ページのPDFが開きますが、書式①‐1を参考にします。
このPDFはあくまで見本なので、実際に申し立てを行う際に自分で作成する必要があります。
※ワードなど、文書作成ソフトにコピペしてレイアウトを調整すると手間が省けます。
一番下に、氏名開示への同意項目があります。
氏名の開示を同意する場合はここに「〇」を記入します。
氏名の開示に同意した場合、この書類の太枠内の記述内容が記事の作者へ公開されます。

実際に作成・送付した依頼書です。
書類を送付して依頼するサーバー会社の多くでこのフォーマットを使用しますので、
一度作ったものは使いまわせるように保存しておくことをお勧めします。
【2】問題箇所に関する資料
エックスサーバーの場合は、問題個所を印刷した資料が2部必要となります。
縮小したものでも大丈夫なので、ボリュームの大きい記事の場合は内容が確認できる範囲内で活用しましょう。
印刷した後、問題個所を蛍光ペンでマークしていきます。
「詐欺」という文言をページから削除することを要求する場合は、
ページ内で「詐欺」と書かれた箇所を全てマークします。
【3】本人確認書類
依頼人本人の本人確認書類となる下記の書類を同封します。
代理人が依頼する場合は委任状と代理人の本人確認書類が必要となります。
法人の場合:
発行3ヶ月以内の法人印鑑証明書。
個人の場合:
・発行から3ヶ月以内の印鑑証明書
・運転免許証、パスポート等の有効な公的身分証明書のコピー
のいずれか。
上記の書類を準備したら、サーバー会社へ送付します。
※送付先は各サーバー会社の権利侵害情報への対応方法を記載したページに掲載されていることが多いです。
送付後、内容の確認などでサーバー会社から連絡が来る場合があります。
書類に不備がある場合は再送を依頼されることが有ります。
問題のサイト・ブログの管理人が対応する
サーバー会社は送信防止措置の依頼を受けた後、
問題のページの管理者へ通達を行います。
これに対し管理者は削除・修正に応じるか、一切対応しないかの返答をサーバー会社に行います。
管理者からサーバー会社への返答がない場合は、サーバー会社が情報の公開を停止することもあります。
この返答はサーバー会社から依頼者へメールや書面で報告があります。
削除・修正をしない場合の理由も知ることができます。
最終的に問題の記事が消えるかはここでの管理者の対応次第です。
管理者が自主的に削除・修正が行われることもありますし、
「削除・修正には応じない」とサーバー会社に返答する場合もあります。
まれにサーバー会社からの連絡を無視する管理者もいます。
管理者から返答がない場合の対応方法は各サーバー会社のポリシーを確認してください。