今回は中国輸入における関税について紹介します。
関税とは
関税は海外から日本へ商品を輸入するときに支払う税金の事です。
税率は固定ではなく、商品や輸入目的などにより変動します。
なお、輸入する際に支払が必要な税金は関税のほかに消費税もあります。
関税の支払い方
関税の支払い方ですが、いくつかの方法があります。
着払いにて現金支払い
輸入した商品が届け先(自宅・事務所など)に到着した時に配送業者に現金にて支払う方法です。
関税と消費税の2種の税金の支払いとなります。
面倒な手続きが不要で簡単かつ発送もスピーディーな方法となります。
難点としては、
・支払うために現金が必要なこと
等が考えられます。
支払に現金を準備しておかなくてはならないので手間が増えます。
仕入れ量が増えると関税と消費税の金額も高くなるのでまとまった現金が必要になります。
銀行振り込みにて支払い
商品が届き通関をクリアしたあとに届く関税と消費税の請求書を確認し、銀行振り込みにて支払う方法です。
こちらは現金の準備などは不要です。
ネット銀行を活用してオンラインで支払うこともでき便利です。
銀行振り込みの難点としては、
・関税の支払いが完了しないと荷物が届け先に向けて発送されない
事にあります。
請求内容の振込確認がとれるまで商品が預かりの状態となり発送されません。
当然輸入した商品が手元に届くまでにかかる時間が長くなります。
販売開始時期の遅れにもなるためデメリットとなります。
クレジットカードで支払い
関税と消費税をクレジットカードで支払うという方法です。
こちらの方法であれば現金を準備したり、銀行口座への振込作業が不要となります。
さらに、着払いのように発送もすぐに行われ遅延がありません。
最も便利かつ早い支払方法となります。
クレジットカード支払いの難点としては、
・OCSとEMSがクレジットカード決済に対応していない
という点になります。
配送業者が限られてしまうので、代行業者を利用する場合は事前に相談しておく必要があります。
クレジットカードが利用可能な運送会社はDHLとFEDEXです。
関税額の決まり方
中国から日本に輸入した商品の関税額ですが、計算方法が輸入金額により分れます。
一般関税率と簡易税率という2種類の計算方法があり、課税価格の合計額が20万円以下の場合は簡易税率が適用となります。
今回はこちらの簡易税率での計算をベースにお話しします。
総額20万円以下の貨物に適用される簡易税率について
課税価格の合計が20万円以下の貨物は少額輸入貨物という扱いとなります。
本来、日本に輸入される商品の関税は数千種類の分類から商品ごとに税率を適用させるため非常に煩雑な計算を行います。
しかし少額輸入貨物に関しては分類は6種+アルコール飲料の区分という大まかな税率の計算を適用させることができます。
※簡易税率が適用されない商品も一部あります。
以下の表は税関のHPからの引用です。
http://www.customs.go.jp/tetsuzuki/c-answer/imtsukan/1001_jr.htm
少額輸入貨物に対する簡易税率表(関税定率法第3条の3関係)
番号 | 品目〔具体的な品目例〕 | 関税率 |
---|---|---|
1 | アルコール飲料 (1) ワイン (2) しょうちゅう等の蒸留酒 (3) ワインクーラー、清酒、りんご酒等 |
¥70/L ¥20/L ¥30/L |
2 | (1) トマトケチャップその他のトマトソース及びアイスクリームその他の氷菓 (2) なめし又は仕上げた毛皮(ドロップスキン)及び毛皮製衣類、衣類附属品その他の毛皮製品 |
20% |
3 | (1) コーヒー及び茶(紅茶を除く。) (2) ゼラチン及びにかわ (3) なめし又は仕上げた毛皮(ドロップスキンを除く) |
15% |
4 | (1) 動物(生きているものに限る。) 肉及び食用のくず肉 魚及び甲殻類、軟体動物及びその他の水棲無脊椎動物 酪農品、鳥卵、天然はちみつ及び他の類に該当しない食用の動物性生産品 (2) 食用の野菜、根及び塊茎 (3) 食用の果実及びナット、かんきつ類の果皮並びにメロンの皮 (4) しょうが(一時的な保存に適する処理をしたものに限る。) (5) 食用の海草その他の藻類 (6) 肉、魚又は甲殻類、軟体動物若しくはその他の水棲無脊椎動物の調製品 糖類及び砂糖菓子 ココア及びその調製品 穀物、穀粉、でん粉又はミルクの調製品及びベーカリー製品 野菜、果実、ナットその他植物の部分の調製品 (7) 各種の調製食料品 (8) くえん酸等 (9) 竹製のくし (10) わら、エスパルトその他の組物材料の製品並びにかご細工物及び枝条細工物 (11) 絹織物 (12) その他の植物性紡織用繊維及びその織物並びに紙糸及びその織物 (13) メリヤス編物及びクロセ編物 (14) 衣類及び衣類附属品(メリヤス編み又はクロセ編みのものを除く。) |
10% |
5 | (1) 生きている樹木その他の植物及びりん茎、根その他これらに類する物品並びに切花及び装飾用の葉 (2) 鉱物性燃料及び鉱物油並びにこれらの蒸留物、歴青物質並びに鉱物性ろう (3) 無機化学品及び貴金属、希土類金属、放射性元素又は同位元素の無機又は有機の化合物 (4) 有機化学品(くえん酸等を除く。) (5) なめしエキス、染色エキス、タンニン及びその誘導体、染料、顔料その他の着色料、ペイント、ワニス、パテその他のマスチック並びにインキ 精油、レジノイド、調製香料及び化粧品類 せつけん、有機界面活性剤、洗剤、調製潤滑剤、人造ろう、調製ろう、磨き剤、ろうそくその他これに類する物品、モデリングペースト、歯科用ワックス及びプラスターをもととした歯科用の調製品 (6) 各種の化学工業生産品 (7) プラスチック及びその製品 (8) 毛皮及び人造毛皮並びにこれらの製品 (9) 染み込ませ、塗布し、被覆し又は積層した紡織用繊維の織物類及び工業用の紡織用繊維製品 (10) 傘、つえ、シートステッキ及びむち並びにこれらの部分品 調製羽毛、羽毛製品、造花及び人髪製品 石、プラスター、セメント、石綿、雲母その他これらに類する材料の製品 (11) ガラス及びその製品(ガラス製のビーズ等を除く。) (12) 銅及びその製品 ニッケル及びその製品 アルミニウム及びその製品 (13) 鉛及びその製品 (14) 亜鉛及びその製品 (15) 卑金属及びサーメット並びにこれらの製品 卑金属製の工具、道具、刃物、スプーン及びフォーク並びにこれらの部分品 各種の卑金属製品 (16) 家具、寝具、マットレス等 (17) がん具、遊戯用具及び運道具並びにこれらの部分品及び附属品 |
3% |
6 | (1) 動物性生産品(他の類に該当するものを除く。) (2) 塩、硫黄、土石類、プラスター、石灰及びセメント (3) 医療用ジェル (4) ゴム及びその製品 (5) 紙及び板紙並びに製紙用パルプ、紙又は板紙の製品 (6) 陶磁製品 (7) 鉄鋼 (8) 鉄鋼製品 (9) すず及びその製品 |
無税 |
7 | 前各号に掲げる品目以外のもの | 5% |
課税価格=商品代金ではない
課税価格が20万円以下の場合は簡易税率が適用されることが分かりました。
では課税価格とは何のことでしょうか。
例えば、100円の商品を100個輸入した場合は商品代金が10,000円になります。
この場合で課税対象となるのは商品代金の10,000円だけではありません。
このほかに課税対象となるのは送料です。
商品代金に加えて、この商品の発送にかかった送料を含めた金額が課税対象となります。
仮に送料が2,000円かかったとすると、課税金額の計算は10,000円+2,000円=12,000円となります。
このように商品代金+送料の金額が課税価格とされ、ここが20万円以下の場合簡易税率が適用されます。